国立ハンセン病資料館【生活のデザイン展】

知人に勧められて国立ハンセン病資料館で開催されている【生活のデザイン展】へ。

手足に知覚まひや変形を引き起こすハンセン病。現在は適切な治療を行えば後遺症を残すこと無く治る病気ですが、後遺症により知覚を失った多くの回復者は、日常生活で直面する不自由を乗り越えるために身の回りの道具を工夫しながら自分らしい暮らし方を追求してきました。

ブリキに木を取り付けた義足にはお気に入りの靴下を装着したり、木製の柄の先に針金の輪を取り付けたボタンかけ、ファスナーの先にひもをつけて脱ぎやすくした服、ホルダーを取り付けたカラフルなスプーンやフォークなど、展示された道具からは自立した生活や自由を求める強さを感じることができます。

【生活のデザイン展】は8/31まで。是非ご覧ください。
https://www.nhdm.jp/events/list/3356/

また、国立ハンセン病資料館の常設展も必見です!

日本では、治療薬によりハンセン病が治る病気となってからも、1996年にらい予防法が廃止されるまで約半世紀にわたり隔離政策が続きました。
国の誤った政策は、らい療養所における強制収用、患者や家族に対する偏見や差別、断種と中絶、特別病室(重監房)など未曾有の人権侵害を発生させただけでなく、長期にわたってハンセン病の誤ったイメージを植え付けた結果、社会の中に今なお根強い偏見や差別を残しています。
(患者の皆さんは隔離政策が終わってからも、高齢化や後遺症、偏見に対する不安などの事情から、療養所を出て生活することが困難になっています)

なぜ差別が生まれるのか。自分が患者の立場だったら、家族の立場だったらどう思うか。
国の政策が全て正しいわけではないこと、ハンセン病以外にもたくさんの差別や偏見が存在することなど、ハンセン病の問題からしっかり学び、誰もが個人として尊重され、多様性を認め合える社会を実現するためにはどうしたら良いのかを、一人ひとりが考えることが大切ですね。

8/27の【黃光男講演会】にも、ぜひご参加ください。
https://fan-san.peatix.com/view