ぐんまの森林。

小川あきら です。

今日は、『群馬県議会 森林・林業・林産業活性化促進議員連盟(林活議連)』の視察研修で、

電力中央研究所赤城試験センター、赤城自然園、吾妻木質バイオマス発電所、

森林学習センターにお邪魔しました。

まずは電力中央研究所赤城試験センターにて、

ペレット工場と高性能電池実験棟を見学。

こちらで製造しているペレットは、センターの森林保全計画に基づいて、

施設内で伐採したクロマツ・アカマツを原料にしており、

建築廃材や科学処理された木材は一切含まれていない良質なもの。

個人住宅用のペレットストーブは30万〜50万円とまだまだ高価ですが、

ハウスでエコ野菜の栽培に利用したり、小学校のストーブとして、

また公共施設の重油ボイラーの更新に併せて、

木質ペレットの利用を増やしていきたいですね。

県内では、上野村が木質ペレットの利用に先進的に取り組んでおり、

公共施設や村営住宅にペレットストーブを導入したり、

貸出もしているそうな…。

続いて、渋川市の赤城自然園へ。

西武セゾングループが“自然と人間の共生”というテーマのもと、

次世代に豊かな自然を引き継いでいくために20数年をかけて整備してきた森林。

ディスニーランドとディズニーシーを合わせた広さと同じくらいの敷地に、

東京スカイツリーと同じ位の標高の赤木山西麓に見事な景色が広がっています。

入場料は大人1000円(年間パスポートは3000円)ですが、

入場料収入よりをはるかに超えた維持管理費がかかっており、

経営に関しては、赤城自然園の環境保全活動をサポートする約30社の企業に

支えられているそうです。

森林浴というと、精神的な効果が大きいといわれてきましたが、

科学的にも、樹木が発散するフィトンチッドと呼ばれる物質により、

NK細胞が活性化され免疫力が向上することが証明されています。

アンチエイジングにも効果があるそうな…。

こちらの場所は、来年森林セラピー基地に指定される予定ということで、

是非みなさん一度遊びに行ってみてください♪

続いて、吾妻木質バイオマス発電所を訪問。

2011年から稼動している木質チップを主燃料とする発電規模13600kwの発電所です。

年間335日の連続運転で8500万kw(24000世帯分)を発電。

現在は廃木材・剪定枝が中心ですが、

今後は未利用材(間伐材)の割合を高めていきたいとのこと。

電力中央研究所の木質ペレット工場も、

廃棄物として処分していた間伐材をどうにか利用できないか

というのが研究の始まりでした。

現代の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会システムから、

資源循環型の自然との共生を目指した社会への変革が求められているように感じます。

今後も環境に優しいグリーンエネルギーが増えていくとイイですね♪

 

 

綾町

小川あきら です。

宮崎に行くなら絶対に寄りたいと思っていた場所が綾町の『ほんものセンター』

綾町は「自然生態系農業」の先進地として全国的にも有名な町ですが、

そのきっかけは、高齢者の医療費負担を解消と町民の健康増進を図るために

昭和48年一に坪菜園を始めたことにあるそうです。

なんと今から40年も前にさかのぼります。

以降、町行政と町民、農家、JAが一緒になって循環型の社会を作り上げてきました。

町民の屎尿や家畜糞尿、家庭の生ゴミ、木質廃棄物、稲わら・野菜屑にいたるまで

全ての廃棄物を資源に変えて、有機農業を支える基盤を作っています。

そして、無農薬の認定農家の皆さんが作った有機野菜について

JAが販路を開拓し、行政は価格補償基金制度を導入。

自然生態系農業は、新規農業就労者をはじめとする人口増と

農家の収入アップにつながっており、

町民全体が町に誇りをもち、自信をもって農業に携わっているそうです。

中心部にある『ほんものセンター』では、認定された有機野菜や加工品が並んでおり、

スーパーの2倍、3倍の価格のものもありましたが、

それでも綾町の有機野菜を求めて沢山の人がこのほんものセンターを訪れていました。

 

お昼は、宮崎県内で6次化の先駆者として注目されている

『フクトミファーム・ガーデン・アヤ』へ。

コメの安い価格に付加価値をつけようといち早く6次化に着目し、

米粉を使ったパンやロールケーキの他、地元食材を使用したランチを提供しています。

見渡す限りの畑の真ん中に、突然現れる素敵なお店。

こんなところまでお客さんが来るのかなー、と思っていたら、

平日にもかかわらず、行列が…!

米粉パンと自家製野菜の美味しさを堪能しました。

旅のおまけで平和台公園内の『はにわ園』にお邪魔しました。

 

宮崎県にて

小川あきら です。

今日は、全国の青年県議有志で、宮崎県の農業政策の調査にやってまいりました。

まずは宮崎県庁にて、県のフードビジネス振興政策のヒアリング。

宮崎県では、食を通じた産業競争力の強化と雇用創出による地域活性化を目指し、

生産、加工、販売、6次産業化に加え、

飲食業や観光産業などにも裾野を広げた総合的なフードビジネスを展開しています。

そのために、今年度からは、関連する各部所(農林水産業、製造業、商工業、

流通業、飲食、観光産業等)の連携を図るフードビジネス推進課を設置。

とりわけ、マーケットインの視点を重視し、

生産供給者側ではなく、消費者のニーズを起点に新たな取り組みをしているそうです。

宮崎の代名詞ともなったマンゴーの次は、ドラゴンフルーツに生ライチなど、

新しい特産品の開発にも意欲的です。

また今年度中には、フードオープンラボという食品関連の試作加工製造施設

を建設する予定で、この施設では、総菜や菓子、清涼飲料水の試作加工を行い、

高付加値化や新事業創出を行えるとのこと。

県を上げての取り組みは本当に素晴らしいと思いました。

九州という土地柄、アジア圏が近いということもあり、海外に向けた販路拡大にも積極的で、

地域間競走ひいては海外にも負けない農業新興への意気込みを感じました。

その後、県が出資をしているJAみやざきフーズの冷凍加工施設を見学。

こちらは、フードビジネスの中の加工・販売を一端をになっています。

年々増加する冷凍野菜の消費をターゲットに、

年間を通じて野菜の安定供給を目指しています。

生産者の農家にとっても、固定価格買取で経営の安定が図れる上に、

高齢農家にとって重労働である収穫については

JAのスタッフが全面的に支援してくれるということで、

win‐winの関係が成り立っています。

試食でいただいた冷凍マンゴーは、生鮮と変わらぬ美味しさで、

一流ホテルや有名パーラーでも利用されているとのこと。

旬の時期だけではなく、一年を通して贈り物としても喜ばれています。

「群馬県は東京に近いので、朝取りの野菜がすぐに東京に並ぶけど、

宮崎からは2日かかってしまう。大消費地への提供には色々な工夫が必要だ」

と所長さんが話していました。

課題としては、冷凍野菜=生鮮よりも劣るというイメージをどう払拭するか。

飲食店や学校給食等では、作業効率の観点から、

加工した冷凍野菜の方が喜ばれるケースも多いようです。