小川あきら です。
今日は久しぶりに、弁護士会主催のシンポジウムに参加。
国民の「知る権利」を侵すと強い批判がある「秘密保全法」に関する集会です。
沖縄密約事件の元毎日新聞記者・西山太吉さんの講演の後、
現役記者さんなどを交えてのパネルディスカッションが行われました。
秘密保全法は、国が「特別秘密」に指定した情報を漏らした公務員や
情報を得ようとした外部の人を厳罰にするという法律。
まもなく法案提出の可能性が高まっているそうです。
このきっかけになったのは、尖閣沖漁船衝突事件の映像流出事件で、
「いまの法律では、 国の安全にかかわる秘密の漏えいを防ぐ管理体制が不十分なので
秘密保全法制を作りたい」ということらしいのですが、
日弁連の秘密保全法制対策本部事務局長の清水勉弁護士は
以下の3点を指摘していました。
①「特別秘密」の範囲が不明確。
尖閣の問題でいえば、米国や中国も衝突の映像をとっていたのであるから、
流出した映像が国家の「特別秘密」になりえない。
②そうすると、何が特別秘密なのかという部分に関し、恣意的な運用が懸念され、
報道関係者の正当な取材活動でさえ制限される、
国民の知る権利も不当に制限される恐れがある。
③そもそも法律は、国民の権利を制限するものであるから、
秘密情報を管理する公務員を規制するのであれば、内規で対応すれば足りる。
よって、法律を制定する必要がない。
というもの。
沖縄の密約問題や、原発事故に関する政府の情報の出し方、近いところでは、
TPPに関連し、後発国へ不利益条件を求められていることについて、
政府から説明がないことなど、
国による情報の隠蔽・操作が行われているのではないか、と感じることが多くなっています。
そのような中で、市民は国に対し、どう立ち向かっていけば良いか、
という会場からの質問に対し、元毎日新聞記者・西山太吉さんは、
「政治への無関心が権力の情報操作を進めることになる。
政治や外交は生活と直結しているのでもっと政治に関心を持ってほしい」と仰っていました。