【総務企画・県外調査③】

【総務企画・県外調査③】

最終日は新ひだか町にて、滞在・移住促進の取り組みを調査しました。

新千歳空港・苫小牧フェリーターミナルからそれぞれ車で1時間半のところに位置している新ひだか町は人口21500人。日高昆布も有名ですが、サラブレッド生産頭数日本一の馬のまちで、全国で唯一馬の生産が学べる静内農業高校には全国から生徒が集まってくるそうです。北海道の中でも特に夏が涼しく、冬の降雪量が少ないという暮らしやすい気候で、道内でも滞在・移住者上位の町として注目されています。

新ひだか町の移住政策の一番の目玉は、移住体験住宅。家具、家電、調理器具、ウォシュレットトイレのほかWi-Fiも設置されている住宅が10棟用意されていて、1日1,100円で最長1年間利用できます。

移住体験者には、町の移住コンシェルジュが様々な支援を行うほか、農家や牧場をはじめとした企業の皆さんと官民連携で体験や就業をサポートしたり、先輩移住者の「暮らし・サポーターズ」の皆さんが交流会やイベントを毎月開催していて、行政では提供しにくい情報(あのリフォーム業者がいいよ!とか、あそこの物件が空いたよ!など)を教えてもらえたりと、移住体験者と積極的に関わる取り組みが行われています。

特に「暮らし・サポーターズ」の皆さんは、移住者の孤立や挫折を防ぐだけでなく、“まちの広報部長”として移住者の活躍をPRし、さらなる移住者を呼び込んでくれているんだとか。

こうした取り組みにより、令和3度には21組が移住体験住宅を利用し、そのうち7組12名が完全移住に繋がったそうです。

今後の課題は住宅と仕事の確保ということで(これはどこの自治体も同じですが)、空き家バンクを設けても登録する人が少なく、口コミで空き住宅の情報を得たりマッチングしたりしているが現状なので、空き家対策や民間事業者との連携を深めていきたいとのこと。
また仕事については、今年度から移住体験者にWi-Fiを設置したところ、早速テレワーク移住の体験利用が増えたことから、テレワークの環境整備をさらに広げていきたいとのことでした。

群馬県でも【ぐんま移住・暮らしサポーター】の皆さんが、移住者と地域をつないで丁寧にサポートしてくれていますが、移住体験住宅やテレワーク環境の整備など受け皿整備の面ではまだまだやれることがあるな、と参考にさせていただきます。