雲仙普賢岳

小川あきら です。

県外調査二日目。

午前中は、国土交通省 九州地方整備局 雲仙復興事務所にて火山災害と復興事業の調査。

雲仙普賢岳は、平成2年の噴火活動開始以降、活発な火山活動を繰り返し、平成3年の噴火では大規模火砕流や土石流の発生により周辺地域に甚大な被害をもたらしました。もう20年以上前ですが、火砕流の映像は今でも鮮明に覚えています。

●雲仙復興事務所は、平成5年に島原市内に「雲仙復興工事事務所」として開設され、砂防事業推進を中心に、様々な地域の災害復興事業を行っています。立入禁止区域内の工事は無人化施工という遠隔操作で作業しているとのこと。

●火砕流で被害を受けた小学校は、当時の被害を風化させないために見学できるように保存されており、同じ場所に設置された監視所は、溶岩ドームから4km離れているそうですが、ずっと近くに感じます。

●火山災害は被害が広範囲に及ぶ可能性があり、雲仙普賢岳では約1万人の住民が5年間にわたり避難を余儀なくされました。火砕流は溶岩ドームから5㎞先まで到達し、大雨が降ると火砕流が堆積した土砂が土石流となって下流にながれ、70ヘクタールが土砂に埋まったそうです。

●これまでに火砕流が9400回、土石流が60回以上発生しており、200㎜の雨で土石流が発生するそうで、先週の台風のときにも発生。監視所では、今も週に一回は避難訓練をしているそうです。

群馬でも浅間、そして草津白根の活動が警戒されていますが、避難計画が一番重要ですね!

 

熊本の幸福度と水資源

小川あきら です。

熊本県庁では、県民総幸福量に関する調査の取組みと、くまもと地下水財団の取組みについて調査。

熊本県は、「県民が幸せを実感できるくまもと」の実現に向け「県民総幸福量(AKH:Aggregate Kumamoto Happiness)」調査を平成24年度から行っています。

①夢を持っている②誇りがある③経済的な安定④将来に不安がない、という4つの指標で幸福度を評価し、地域や年齢による結果の違いを施策に反映して、さらなる幸福に繋げているとのこと。

例えば、以前の調査では工業団地などが多い県北部に比べて、南部の幸福度が低かったことから、南部では新たにフードバレー構想を立ち上げ対策をしているそうです。

小さな幸せを広げていく熊本県しあわせ部の取組も素敵。幸福度を高めるには、まずは自分の住んでいる地域や県に魅力を感じてもらいことが大切ですね。

続いて、くまもと地下水財団の取組について。

熊本地域では、地下水量の減少や水質の悪化傾向が続いたことから、平成24年4月に「公益財団法 人くまもと地下水財団」を設置し、①地下水環境調査事業②地下水質保全対策事業③地下水かん養推進事業④地下水接収・使用適正化推進事業に取り組んでいます。生活用水の8割を地下水に頼っており、代替水源もないので、地下水の量と質を守っていくことが県民生活に直結しているとのこと。

企業や一般の方に水の大切さを理解してもらい、その保全に参画してもらう仕組みも充実しています。賛助会員や寄付金の協力の他に、水田オーナー制度やウォーターオフセット事業なども。

およそ5Kgのお米を生産すると100㎥の地下水を育むことができ、生産されたお米や農作物、さらには加工品や飼料米で飼育したお肉を購入・消費することで、使用した地下水量の埋め合わせをするのがウォーターオフセットです。

地下水保全に参画してくれた企業や個人にはかん養量証明書が発行され、優秀な活動を表彰する顕彰制度も用意されています。自分の行動が地下水の保全にどれだけ役立っているのか、…意識を持って参画できるので良いですね!

水と農業と市民参画、群馬でも良い循環の仕組みを作っていきたいです。