小川あきら です。
最終日は熊本県人吉市にて、日本遺産の取組について調査です。
日本遺産は2020年までに100件を目標に文化庁が認定し、世界的な文化財を保護する世界遺産と異なり、地域の文化や伝統を形作っている物語を認定することによって、地域活性化を図ろうとするものです。(世界遺産登録待ちリストを消化するという背景もありますね。)
本年、第1回の日本遺産に群馬の「かかあ天下」とともに認定された「相良700年が生んだ保守と進取の文化 ~日本でもっとも豊かな隠れ里 - 人吉球磨 ~」は、熊本県内で唯一の国宝である「青井阿蘇神社」や「人吉城跡」などを含む41の文化財により構成されています。
この地域は、相良のお殿様が約700年の長きにわたって統治してきたことから、仏教美術や古社寺建造物が数多く保存されており、また独自の文化が育まれてきました。
球磨神楽、球磨拳(じゃんけん)、球磨焼酎、球磨墓、球磨民謡など、地域の名前がついたものが今でもたくさん残っています。
おそらく住民の皆さんは、相良700年の歴史をちゃんと知っていて、伝統文化を現在も楽しみ、社寺や仏像などを信仰して守っているのだろう、そんな雰囲気の隠れ里。
日本遺産の認定で一層自分の住んでいる地域に誇りが持てたのではないでしょうか。(幸福度が上がったはず?)
地域活性化を目指す日本遺産なので、今後は情報発信(他言語パンフや案内サイン整備)観光誘客が課題とのこと。
群馬の「かかあ天下」も、かかあ天下に関連する歴史や文化を、私たち一人ひとりがしっかりと学んで、かかあ天下の物語に誇りを持つことが出発点になると思います。世界遺産の富岡製糸場と日本遺産のかかあ天下、群馬を見つめ直すチャンスにしたい。