【リトリート・温泉文化に関する特別委員会の県外調査】2日目

【リトリート・温泉文化に関する特別委員会の県外調査】2日目

続いてお邪魔したのは日本三大秘境のひとつ「祖谷温泉」。切り立った山々の奥深く、ケーブルカーで170メートル下ると谷底に温泉露天風呂があるという、本当にすごい立地です。

近隣には祖谷温泉を含め5件のホテルがあるものの、以前は大歩危地域と祖谷地域に別れており、連携した取り組みや地域全体の発信が難しかったとのこと。

それが合併により三好市となったことを契機に、5件のホテルで「大歩危・祖谷いってみる会」を設立。現在はタクシー、バス、観光施設、酒蔵など賛助会員30社も加わり、行政とも連携して「大歩危祖谷温泉郷」という名前を売り出したり、ホテルで必要な備品の共同購入に取り組んだりしているそうです。
https://www.oboke-iya.jp/

ホテルや事業者が個で努力するだけでなく、地域でまとまって連携することで地域全体のブランド力を上げることができる。それで集客が増えれば、スタッフの自信にもつながる。将来的な温泉文化の担い手確保にも期待したいですね。

いずれにしても、この祖谷地域は、桃源郷や秘境という言葉のイメージどおりの山奥で、現地に行くまでのハードルをほんの少し感じました。

群馬県内の温泉地や秘境宿は、こちらに比べるとアクセスも良く、短期滞在も長期滞在も過ごしやすいのではないかなと。

地域全体の取り組み強化と、伝統的な景観や歴史、文化、それを支える感性や人の魅力を高めていく重要性など、群馬県にしっかり持ち帰りたいと思います。

【リトリート・温泉文化に関する特別委員会の県外調査】2日目

【リトリート・温泉文化に関する特別委員会の県外調査】2日目

徳島県は三好市の祖谷地域にて、リトリートと温泉文化の推進について調査しました。

最初に訪れたのは「桃源郷祖谷の山里」。
山道をひたすら(2時間以上)進んだところにある落合地域は、標高差約390mの急斜面に民家や石垣、畑がはり付くように広がっており、集落全体が重要伝統的建造物保存地区に選定されています。

「桃源郷祖谷の山里」は、集落の中の空き家対策の一環として、8棟の空き家を茅葺古民家として再生し、宿泊施設として活用しているもの。
もともと宿泊滞在者がゼロだったこの地域に、茅葺の宿泊施設を整備したことで、コロナ前には年間2500〜3000人弱の宿泊利用が生まれています。

きっかけとなったのは、東洋文化研究家のアレックスカー氏が、集落の景観や歴史的価値を高く評価し、現存する茅葺き民家を現代に伝えるために築300余年の茅葺の家を宿泊施設として整備したのがはじまりとのこと。
日本の伝統的な景観や歴史、文化を求めたインバウンド需要が多いことから、外国人向けのプロモーションや長期滞在に向けた地域資源の活用に力を入れているそうです。

消滅の危機にある集落や文化財の景観を守ることが、地域経済の活性化や雇用の創出にもつながる良い事例ですね。
https://www.tougenkyo-iya.jp/