県外調査2日目。佐賀県庁から八女市へ②

小川あきら です。

佐賀県庁をあとにし、再び福岡県へ。

公立八女総合病院企業団みどりの杜病院にて、がんの緩和ケアについて調査しました。

群馬県でも、来年4月から緩和ケア病棟を開設する予定ですが、

その際参考にさせていただいたのが、このみどりの杜病院。

2011年5月に開院したまだ新しい施設ですが、病院併設型ではなくて、

緩和ケア内科だけの独立型の珍しい施設です。

病床は一般タイプから、グレードの違うものを含めて、全部で30床ありますが、

現状では、20床前後の利用状況となっています。

高級な部屋の利用が少ないことや、30床になるとスタッフの確保が大変であることなど、

群馬県での緩和ケア病棟の整備に関して参考になるお話を色々と聞かせていただきました。

院内は、木目調の落ち着いた雰囲気で、家族室やシアタールームなど、

自宅と近い雰囲気を持ってもらえるような工夫がなされていました。

偶然にも、談話ルームでくつろいでいる患者さんとそのご家族の方々にお会いし、

皆さんの明るく、優しい表情に、ほっとしました。

緩和ケアというのは、まだまだ始まったばかりですが、

今後も全国の素晴らしい取り組みを参考に、群馬県でも活かしていきたいです。

県外調査2日目。佐賀県庁から八女市へ①

小川あきら です。

県外調査2日目は、佐賀県庁から。

救急搬送システムと重粒子線治療の取り組みについて調査しました。

重粒子線治療の施設は、千葉・兵庫・群馬に続いて、国内4番目の施設となります。

九州国際重粒子線がん治療センター、通称サガハイマットという施設です。

今年の5月に完成し、8月から治療を開始していく予定で、

これまで群馬病院も、スタッフの研修など様々な支援をしてきました。

佐賀の重粒子線治療施設の特徴は、入院施設がないことや、

佐賀国際重粒子線がん治療財団という民間の寄付で運営していることなど。

切らずに治すという重粒子線治療の特性から、通院治療のみを対象としています。

また、佐賀県だけではなくて、九州・山口地方をカバーする施設として、

民間の出資や寄付をメインに構想されています。

その他、地元の佐賀県、鳥栖市からの補助や、お隣の福岡県からの補助も出ています。

既に60件の予約が入っており、その多くは福岡から(福岡から新幹線で13分です)

佐賀、熊本、鹿児島、沖縄と九州各地から問い合わせがあるとのこと。

「国際」という部分については、

将来的には世界に誇れるような施設にしたいという思いがあるそうですが、

今のところ外国からの患者を受け入れるというような話は出ていないそうです。

続いて、群馬県でも昨年から導入した救急搬送システムについて、

導入のきっかけや苦労したこと、今後の豊富などを伺いました。

救急車へのタブレット端末配備については佐賀県が全国に先駆けて実施したもの。

それが現在では多くの県に広がっています。

病院の受け入れの可否、現状で受け入れている件数などが、

タブレットで確認し一目でわかるようになったため、

救急隊員としては、今まではひたすら一件一件病院に電話をかけまくっていたのが、

受け入れ可能な病院に速やかに連絡、搬送することができるようになりました。

また、一つの病院に救急搬送が偏らないように配慮することも可能になったとのこと。

病院側にとっても、他の病院の現状や、救急患者の件数などを確認することができ、

受け入れるかどうかの判断がしやすくなったそうです。

(そもそも受け入れを断ること自体も医師のストレスになっていたようですが、

そういった負担も情報の共有によって激減しました。)

佐賀県からも協力をいただきながら、導入した群馬県ですが、

群馬では佐賀以上に「受け入れ不可」の件数が顕著に減っているそうです。

タブレット導入にご尽力いただいた佐賀県健康福祉本部医務課の円城寺さん。

ユーチューブで検索すると、救急医療の現状や佐賀県の導入の経緯について、

わかりやすい動画がでてきます!

医療先進県として、今後も群馬県&佐賀県のタッグを組んで行きたいですね!