来年度予算に向けた会派要望

来年度予算編成にあたり「リベラル群馬」としての最重要課題を4項目37要望に絞り込んだ提言書を、大澤知事に提出しました。

意見交換では「障がい者雇用、外国人労働者については積極的に取り組んでいきたいが、共生社会という観点も重要である」「モノづくりを中心とした次世代産業に加え、観光産業や通訳などの新たな視点の三次産業もしっかり伸ばしていきたい」といった知事の思いも聞かせていただきました。

2期目の任期もあと少しとなりましたが、しっかり頑張ってまいります。今できることを、確実に。

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Ⅰ 県独自の経済活性化及び雇用対策への提言

1.中小企業等の人材確保策として以下の施策を要望します。

(1)ジョブカフェ群馬等によるU・Iターン推進策。

(2)中高生へのキャリア教育の充実。

(3)産業技術専門校の機能拡充による、県内中小企業とのマッチング。

(4)若年無業者等への伴奏型の就労支援。

2.再生可能エネルギー導入推進にあたっては、地域経済への波及効果が高いながらも導入が依然不十分な小規模バイオマス、小水力発電を重点的に推進するよう要望します。

3.雇用水増し問題を受け、職員の意識改革を進めるとともに、早急に障がい者雇用を図ることを要望します。

4.総合計画に定める介護職員数の達成に向けた施策を強化すること。特に、介護処遇改善加算を事業者が実施していることを介護労働者に周知徹底し、適切な運用がなされるよう指導するよう要望します。

5.ワークライフバランスの推進を図るため、「いきいきGカンパニー認証制度」を取得する事業所に対して支援を厚くし、また「イクボス養成塾」の開催数を増やす事を要望します。

6.医師・看護士偏在解消に向け、患者需要と病院需要の双方から見た各二次医療圏の診療科ごとの必要な医師・看護士数を把握し、目標値を設け地域間格差解消に取り組むこと。また、質の高い医療を受けたいという県民ニーズに応えるため、「医療の提供」という観点から、大病院等から専門医が派遣できる環境整備を促進させるよう要望します。

7.蚕糸絹業・繊維業の振興について、ぐんまシルクのPRを行うとともに、担い手および蚕業技術員の養成、県内2カ所の稚蚕飼育センターについて支援を図ることを要望します。

8.外国人技能実習生・留学生に対し、以下の施策を進めることを要望します。

(1)日本人同様に人権を擁護するための県の窓口機能を群馬弁士会と連携して拡充すること。

(2)ベトナムと県の「覚書」における「管理団体および実習実施機関の指導・監督」との記載項目を遵守し、対応を強化すること。

9.今年度より適用される「無期転換ルール」を回避目的とした雇止め等を防止するため、使用者への周知・指導および労働者に対する相談窓口の強化を要望します。

10.入管難民法改正に伴い外国人の増加が見込まれることから、外国人が的確な医療を受診できるよう医療通訳ボランティアの拡充や制度の確立のための予算を要望します。

 

Ⅱ 安全安心な暮らしへの提言

1.一時的に保管をしている放射能指定廃棄物について、現行のフレコンバッグによる保管については劣化が心配されることから適正な管理をするよう要望します。

2.深刻化する児童虐待問題に適切に対処するため、以下の施策を要望します。

(1)児童相談所の専門職員体制の強化、とりわけ平成32年の東部一時保護所の開所に向けて予算と人材を確保。

(2)市町村における子育て世代包括支援センターや子ども家庭総合支援拠点の整備。

(3)養育里親の育成・支援および普及啓発等の拡充。

3.生活困窮者自立支援事業における任意事業が推進されるよう県が主導となって市町村へ働きかけ、また支援員の人材育成に向けた研修会等で支援技術のスキルアップを図るよう要望します。

4.子ども食堂や無料学習塾などの子どもの居場所作りを推進するために、市町村間での支援の差が出ないよう県として働きかけ、また、子どもの居場所が継続できるよう支援を要望します。

5.鳥獣害対策については、条例制定を契機に特定鳥獣の管理および活用について県の責務を明確化し、全庁的な取り組み体制、および県が広域的なリーダーシップを発揮できる体制づくりを進めるよう要望します。

6.消費者行政の施策として、悪質クレーム(迷惑行為)の撲滅および、消費行動を通じて環境などの社会的課題を意識する倫理的消費の普及・啓発を要望します。

7.県有施設のアスベストの飛散防止を徹底するため、除去・封じ込めに関する再調査を行うこと。

8.障害のある人の社会生活や日常生活に関し、以下の施策を要望します。

(1)障がいを理由とする差別を解消する取り組み推進のための職員研修の実施。

(2)発達障がい者支援センターにおける早期相談を実現するための体制充実。

(3)見えない障がい者への支援充実のためのヘルプマーク、ヘルプカードの導入。

(4)手話言語条例の推進および県立聾学校における教員の手話スキルの向上。

(5)環境制御装置(ECS)に対する助成制度の創設。

9.若い世代(AYA世代)や女性のがん検診率の向上や、医療用補助具に対する助成等がん患者の外見ケアに対する取り組みを充実することを要望します。

10.犯罪被害者支援員の養成や、犯罪被害者支援条例の制定に向けて関係団体と意見交換を行い、被害者支援体制をより一層充実させることを要望します。

11.後見人制度の利用促進に向けて、県内の中核機関の設置や、法人後見が進まない理由について調査し対策を講じることを要望します。

Ⅲ 社会基盤・人づくりへの提言

1.「群馬県交通まちづくり戦略」を、実効ある施策に繋げていくための予算を十分に確保することを要望します。

2.社会基盤整備の在り方について、既存の道路、橋梁等のインフラの維持管理・更新を先送りすることなく、最優先に予算配分を行うよう要望します。

3.交通安全対策強化のため、道路標示等の交通安全施設の補修予算の増額を要望します。

4.県立図書館について、先進事例に倣い、利用者の視点に立った改革を進めるとともに資料購入費の拡充を要望します。

5.教員の多忙化解消に向け、以下の対策を要望します。

(1)策定中の教育振興基本計画に長時間労働改善の数値目標を盛り込むこと。

(2)把握した教職員の労働時間を、学校内の衛生委員会における業務の見直しのために活用する仕組みを導入し、子供と向き合う時間を確保すること。

6.文部科学省では平成31年度に全ての中学校区にSSWの配置を目標としていることを踏まえ、県としてもその目標に近づくようSSWの配置拡充を要望します。

7.マイナースポーツの施設整備を進めるとともに、小学生期において全国レベルで活躍が期待されるスポーツ少年団やクラブチームに対し重点的な支援を行い、ジュニア育成の底上げを図ることを要望します。

Ⅳ その他重要課題に対する要望事項

1.全国トップクラスであった財政健全度がこの10年間で徐々に後退している状況を重く受け止め、将来世代に負担を残さない財政運営に努めることを要望します。

2.高崎競馬場跡地におけるコンベンション施設建設計画について以下の事項を要望します。

(1)これまでの知事答弁を厳守し、誘致補助金等の新設や、建設費の増額など、県民にこれ以上の財政負担を増やさないこと。

(2)施設の運営・誘致について指定管理者に「丸投げ」とならないよう、県庁内にスペシャリストとなる人材を養成すること。

3.山村地域の人口減少対策について、二地域居住やグリーンツーリズム、UIターンンによる就農支援等に施策について、市町村と協力し推進するよう要望します。

4.電力小売自由化のこの期を活かして、県企業局の現在の売電契約を検証し、自ら売電する手法も含めた最適な売電方法により最大限の売電収入の確保に努めることを要望します。

5.県教育番組「みんなの時間」については、視聴率の推移等から教育的効果を厳しく検証し、また、教育委員会の一般事業予算がひっ迫している状況を考慮し、次年度以降は縮小も含めた見直しを行うよう要望します。

6.北朝鮮の拉致問題や核武装、ミサイル実験と、在日朝鮮人の子ども達の教育支援は全く異なる案件であることから、各種専修学校と同じく群馬朝鮮初中級学校への補助金再開に向けた協議を学校側と進めるよう要望します。

7.会計年度任用職員制度が2020年4月に導入されるにあたり、その対応が遅れていることから、県・市町村の円滑な導入に向けた個々の職場状況の把握とともに、正規職員化を進めるために必要な財源確保を図ること。

8.部落差別解消推進法の制定を踏まえ、法に定める地方公共団体の責務を果たせるよう、施策の充実を要望します。

9.統一的な文書管理ルールの徹底やコンプライアンス確保等を目的とした群馬県公文書管理条例を策定することを要望します。