健康福祉常任委員会の月一委員会

健康福祉常任委員会の月一委員会は、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設【のぞみの園】にて、施設の概要や強度行動障害者支援の現状などを調査しました。

【のぞみの園】は国立で唯一の重度の知的障害者支援施設です。https://www.nozomi.go.jp

前身となる国立コロニーは、一般社会では生活することが困難な重度知的障害に治療や訓練などを行うとともに、終の住処として施設内で幸せな生活が送れるようにするための施設として昭和46年に開設されましたが、時代の流れとともに障害者福祉政策が地域生活支援へと移行する中で、平成 15 年に独立行政法人に移行。現在の【のぞみの園】では、地域生活支援、自立や社会参加の促進など、重い障害のある人たちの自立を総合的に支援するために多様な事業を展開しています。

旧コロニーからの入所利用者の地域移行に関しては、ある程度の方が家庭や施設等に移行している一方で、高齢化等で地域移行が困難な利用者の処遇も課題になっているそうです。

また、新たな入所者を受け入れないことを基本としつつ、平成21年度からは行動障害を有するために地域での生活が難しくなっている人を有期限で受け入れて、地域に再び戻れるようにする取り組みを行っています。

令和5年8月1日現在の入所者数は161人(平均年齢:63.6歳、平均入所期間:38.5年)で、そのうち旧コロニーからの入所利用者が136人、行動障害等22人、矯正施設等対所者3人となっています。

強度行動障害者の支援については、実際の事例を踏まえながら、アセスメントと支援計画の構築方法や特性に配慮した支援の工夫(構造化)、記録の付け方など支援のポイントを伺い、寮の住居空間の構造化の様子も見学させていただきました。

のぞみの園では強度行動障害者支援の最先端の実践を行っているものの、地域に移行する場合には、受け入れ先の施設等でも同じような支援体制が必要になってくるので、地域全体の支援力を高めていくことが重要です。

(現状では、強度行動障害者を受け入れている施設が限られており、令和3年度の県の調査では入所待機者が273人となっています。)

地域の支援体制を高めるために、これまで実施してきた強度障害者支援者養成研修に加え、今後は中核的・広域的支援を進める人材育成にも取り組み、支援者間でのネットワークの構築や行政、福祉、医療、教育が連携した地域支援体制を目指していくとのこと。

人材育成とハード面の整備(構造化)が両方が必要になってくるので、県としては、のぞみの園と連携した人材育成と施設の環境整備に対する支援(コンサルの派遣や助成金など)について、しっかり取り組んでいきたいですね!