小川あきら です。
9月6日~8日の間、産経土木常任委員会で県外視察に行ってまいりました。
2008年の審査で、登録延期となった後、
世界遺産登録へ向けて地域全体の気持ちが一つになったそうです。
2009年には、日本一厳しいともいわれている景観条例をつくり、
建物の高さ制限に加え、屋根も和風で切妻、寄棟、入母屋に限り、
陸屋根などは原則禁止されています。
また、2010年には、罰則規定のある屋外広告物条例をつくり、
こちらも日本一厳しい内容になっているとのこと。
観光業に携わる住民だけでなく、地域全体が協力して、
世界遺産に向けて取り組んできた結果、念願の世界遺産登録となりました。
地域のみなさんの平泉への強い思いを感じるとともに、
そこまでしないと、世界遺産の登録は実現できないのか、
世界遺産のハードルの高さを改めて感じました。
しかし、世界遺産の効果は絶大で、観光客もかなり増加しているとのこと。
質疑応答の中で、平泉観光協会の担当者から、
「群馬県の富岡製糸場も歴史的な遺産だが、群馬といえば、なんといっても温泉!
草津温泉を世界遺産に登録できないものか。」
というユニークなお話も聞かせていただきました。
昔、本で読んだだけですが、中世文化というのは、質の文化で遠く離れた地に移植されても、その質は維持されるとのことです。唐の長安の遺跡は消失しているため、それを移植した現在の京都の遺産は、当時の中国の文化を知る上でも、涙がでるほど有難いものだそうです。同じく平泉の遺産も京都に劣るものではないということで、なにかこの辺に地方再生のヒントを感じます。