松下村塾

小川あきら です。

二日目は、萩博物館から。こちらでは、楫取素彦が群馬県令時代に、松陰の実兄・杉民治に宛てた手紙などを特別に拝見させていただきました。新任地の熊谷県(入間・群馬)を難治と称した手紙、前橋への県庁移転問題を報じる手紙、群馬県の養蚕業の奮発ぶりを知らせる手紙、妻寿子の百カ日を前に悲観する手紙など、当時の群馬県の様子や楫取の思いを感じることができました。

続いて、松蔭神社を訪れました。境内には、維新の原動力となった松下村塾が現存しています。萩藩校明倫館の儒者であった楫取素彦は、吉田松陰の後継者として松下村塾で塾生の指導にあたりました。瓦ぶきの家で、講義室はわずかに8畳。この場所から、幕末の維新期に活躍し、近代日本の原動力となった数多くの逸材が輩出されたことを思うと、大変感慨深くなります。

その後、東光寺へ。東光寺は毛利氏の菩提寺で奇数代の萩藩主のお墓があります。維新後に台湾で抗日派に襲撃され、命を落とした楫取素彦の次男・楫取道明氏も祀られています。

楫取素彦ゆかりの地を訪ね、防府市・萩市との交流を深めた二日間。参加者した皆さんからも、「もっと自分たちの住む地域のことを知りたい」「前橋にも歴史館があったらいいな」と色々なご意見が出ていました。群馬の基礎を築いた楫取をしっかり顕彰することによって、困難な時代を生き抜く精神を学び、群馬の未来の姿を描いていきたいと思います。『至誠にして動かざるものは未だこれ有らざるなり』