【流産や死産を経験した女性のグリーフケア】

一般質問のテーマから【流産や死産を経験した女性のグリーフケア】について

グリーフ(grief)とは「深い悲しみ」という意味の言葉です。「グリーフケア」とは、身近な人を亡くしたときの深い悲しみや喪失感を周囲が支えることを意味します。

厚生労働省は昨年5月に、晩婚・晩産化の進展で不妊治療を受ける人が増える一方、流産や死産を経験した女性が適切なケアを受けられずにいる現状を受け、流産や死産を経験した女性の心理社会的支援等について、きめ細やかな支援を行うための体制整備を求めることを各自治体に通知しました。

流産・死産等で赤ちゃんを失った母親の悲しみは他の家族よりも長く続く傾向にあるにもかかわらず、医療機関の支援から離れて孤立してしまったり、喪失感やつらい気持ちを語る場所がないどころか、早く忘れるように強いられたり、赤ちゃんの存在を無視する言葉を投げかけられて傷ついてしまうなど、これまで十分な支援が行われてきませんでした。

流産・死産を経験した女性の相談ニーズ調査(厚労省)では、専門的な相談をしたいと答えている人が35%いるにもかかわらず、地域の相談窓口や保健センターに相談した人はわずか5.2%しかいないことや、支援を必要と感じた女性の多くがうつや不安障害が疑われる状況にあったことがわかります。

一般質問では、流産や死産を経験した女性の悲しみや喪失感を支えるグリーフケアについて、群馬県ではどのような取り組みを行っているのか伺いました。

生活こども部長の答弁では、流産や死産を経験した女性やその家族は子どもの命が失われたことを知る人が少ないため孤立しがちであり、喪失感や悲しみに対する適切なケアが必要であり、流産等を経験した方についても各市町村の子育て世代包括支援センターで訪問や個別相談に応じるなどきめ細やかに支援しているほか、群馬県不妊・不育専門相談支援センター、ぐんま妊娠SOSでもグリーフケアが必要な方の相談に対応しているとのこと。

相談に対応できる場所はあってもそれを知らなかったり、不妊不育や妊娠という言葉の印象から既存の相談窓口に相談しずらいケースもあるので、HPやリーフレットにもグリーフケアに対応できる旨をわかりやすく記載していただき、流産や死産を経験した女性が相談しやすい体制整備をお願いしました。
(例えば妊娠SOSのメールフォームは出産予定日を記入する項目などがあって、心理的なハードルが高いので、グリーフケアが必要な方のメールフォームは別に設けるなど相談しやすい工夫が必要です。)

大阪府や静岡県のHPでは、流産や死産を経験された方向けのページを設けていて、県の相談窓口や民間の当事者団体、支援団体の一覧をまとめているので、是非参考にしたいところ。

▼群馬県議会インターネット中継(録画)
流産や死産を経験した方のグリーフケアについて
http://www.gunma-pref.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=6619