小川あきら です。
今日は、全国の県議有志で、
熊本県坂本村の荒瀬ダム解体現場の調査に伺いました。
荒瀬ダムは昭和29年に建設された発電専用のダムで、
完成した当時は、戦後の逼迫した電力事情の中で、
熊本県内の電力供給量の16%を占めていました。
しかし、その後、平成15年に水利権更新時期を迎えるにあたり、
地域住民が水質の悪化や漁業被害を訴えたり、
県内の電力供給量に占める割合も0.6%に落ち込んでいたことから、
当時の潮谷義子知事が撤去の方針を表明。
その後、蒲島郁夫知事が財政難を理由にダム存続に転換したものの
結局は発電継続に必要な水利権更新が認められず、
全国で初めてのダムの撤去となりました。
工事期間は2017年度までの6年間。
今年はその2年目で、少しつづですが巨大な構造物がなくなっていく様子が見て取れます。
県や撤去工事に取り組んでいる業者の方のお話を聞き、
造るより難しい、前列ない工事の苦労も知りました。
造るときには撤去することを誰も想像していなかった。
原発の廃炉の問題と同じような課題を感じます。
荒瀬ダムは、発電専用のダムなので、
発電機能を失った時点で、河川法上、撤去しなければなりませんが、
全国のダムのほとんどは多目的ダムとなっているため、
今後、荒瀬ダムのように撤去する事例は少ないと思います。
しかし、堆積した泥土の処理や、環境モニタリングなど、
既存のダムの管理に必要なデータや検証が期待されています。