世代間格差と世代内格差

小川あきら です。

今日は、東京で勉強会。

世代間格差と世代内格差について、内閣府の担当官にレクチャーしていただきました。

社会保障支出の増大を将来世代への負担の先送りによって賄ってきた結果、

今の日本の財政赤字は先進国で最悪の水準となり、世代間格差も大きく拡大しています。

内閣府がまとめた生涯純受益の表を見ると、

50代以上の世代では、生涯純受益がプラスとなりますが、

40代以下の世代では、生涯純受益がマイナス。

20歳以下の将来世代では、実に8000万円以上のマイナスとなります。

この世代間の不公平をなんとか減らしていこうと『世代会計』という考え方が注目されています。

世代会計とは、政府の収入・支出構造と、

今後実施されることが明らかな政策(年金支給年齢の引き上げなど)を前提とした場合に、

どの世代が得をし、どの世代が損をするのかを定量的に評価する考え方です。

この世代会計では、ゼロサムゲーム的な性質を持っており、

現存世代の生涯純負担が減少すると必ず将来世代の生涯純負担が増加し、

逆に、将来世代の生涯純負担を減少させるためには

現存世代の生涯純利益を減らさなければなりません。

世代間の公平を図るための施策、というか、そもそも財政健全化に向けた取り組み

(構造的財政赤字が増加する場合に、自動的に歳出を削減する仕組みなど)について、

早急に検討する必要がありますね。

そして、もう一つ注目したいのが世代内格差という問題。

同世代でも、世帯類型によって、受益と負担のバランスに差が生じています。

f:id:Syouka:20110606025458j:image:w430

私は今、20代単身女性ということで、受益=負担となっていますが、

誕生日を迎えると、30代単身女性となり、受益<負担となってしまいます。

30代、40代、50代の共働き夫婦(子どもなし)の家庭が負担が大きく、

同じ世代の子どもありの家庭や単身者よりも厳しい環境になっています。

逆に、3世代同居世帯では、受益が大きいことがわかります。

世代内の格差を考えるときには、ライフスタイルの見直しも重要になってきそうですね。

 

 

 

世代間格差と世代内格差」への2件のフィードバック

  1.  60代以上(官僚、公務員を除く)は、苦労した世代です。この( )の意味は、私が地方公務員をしていた時、会計検査院の4頁くらいのパンプレットを 2,000円で出先で毎月購入していた時の印象です。20代の官僚が男女6人くらいで作っているとの記事もありました。こんな冊子は無料でもいいな、と個人的には思いました。しかし、官僚の書くものは、厳密な著作権がかかっているらしく、同時期に外務省が、文書を無断で引用されたとして、ニュースになったのを私は見ました。要するにいい商売だな、ということです。
     民間企業の60代以上の人達については、先日医者に聞いたところ、自動車工場で働いている人では、その年代では、指のない人はめずらしくない、ということですし、私も、税金徴収に自宅兼小工場に社長を訪ねたところ、ベンツなど高級車が3,4台ありましたが、指が何本か欠損しておりました。ホンダ自動車を創業した本田宗一郎も指先が何本か欠損していた、というのを聞いたことがありますし、プレスを扱う職場で背骨の骨を折った人を私は実際知っています。建築業界も似たようなものらしいです。ただ、当時は、高度成長期で、重労働に見合った収入はある程度あったということでしょう。当時の「社長」、「高額所得者」の人的イメージは今とは正反対と言っていいくらいです。また、今の若い人は、非正規労働の中で、重労働になればなるほど賃金が逓減するということで、気の毒に感じます(私の職場経験)。
     実際、年寄りの年金も介護保険税やら、環境税やらでどんどん減らされているので、あまり年寄りを苛めないでいただきたいし、重労働についている若い人、年寄りも大事にしていただきたい、と小川あきら先生にお願いします。
     

  2.  会計検査院の冊子については、ネットで調べたら、今はネットでみられるようです。当時の私の記憶も値段、発行時期については少しあやふやなのですが、たまると一緒に付いてきたファイルに綴じていたので、8年前、私的には値段を法外に感じていたのは確かです。小川あきら先生のブログは、無料なので有難いです。

コメントは停止中です。