視察。

小川あきら です。

本日は、八ッ場ダムの視察に行ってきました。

東日本大震災を受けて、八ッ場ダムについても

今までとは違った視点での検討が必要になってきたように感じます。

今回の震災では、福島県須賀川市の藤沼ダムが決壊し、死者がでています。

同じような災害が起こったとき、八ッ場ダムは、

想定外の大災害にも耐えられるだろうか。

建設予定地は計画当初から地質のもろさが指摘されており、

実際に、いろいろな場所で地滑りや落石が起きています。

安全性について、しっかり検証する必要があります。

また、震災による電力不足への懸念とともに、

八ツ場ダムで計画されている水力発電への関心も出てきました。

しかし、八ツ場ダムで発電するには、これまで松谷、原町、箱島、

金井、渋川の6カ所の水力発電所で使用されてきた

吾妻川や白砂川等の河川水の一部をダム湖に流入させることが必要なので、

結果的には、吾妻川水系の発電能力はむしろ低下すると言われています。 

大規模震災への備えという観点からもさらなる検討が必要です。

司法修習で視察をしたときには、湖面2号強の橋脚の建設途中でしたが、

この数年間で、道路の付替え工事や代替地の造成など、

地元の皆様の生活再建・保証が進んでいる様子でした。

布川事件。

小川あきら です。

足利事件に続き、布川事件でも再審無罪判決が言い渡されました。

布川事件は、1967年に茨城県利根町布川起きた強盗殺人事件です。

犯人とされた桜井さん・杉山さんは、無期懲役の判決を受け、

仮釈放までの間、実に29年間もの間、不当に身柄拘束を受けてきました。

一昨年、桜井さんの講演を聴かせていただいた際には、

犯行当時のアリバイがあることや、目撃者の証言が信用できないことなど、

事件に関わるいろいろなお話を聞かせていただきましたが、

その中でも特に、「警察や検察官、そして裁判官に、謝ってもらいたい。」

と仰っていたことが、とても印象的でした。

DNA鑑定の技術進歩や、捜査機関の違法な取調べが明らかになったことで、

ここ数年、えん罪事件が増えているように感じます。

えん罪は、本来絶対にあってはならないものです。

桜井さん、杉山さん、長い長い戦い、本当にご苦労様でした。